子宮頚がんワクチンできるだけ早く「まず1回」の接種を
お知らせ
WHOのワクチン諮問委員会は、2022年4月に子宮頚がん(HPV)ワクチンの接種回数の推奨を、9~14歳の女子と15~20歳の女子・女性について、「1回または2回の接種」、21歳以上の女性については2回の接種」と変更しました。ワクチンの価格と世界的な供給不足、低迷する接種率を解消するため、「1回でよい」から接種しましょう!と推奨したわけです。
2025年、コスタリカの12歳~16歳女子2万人のHPVワクチン1回接種群と2回接種群の5年間の追跡調査の結果が公表されました(ESCUDDO試験)。1回接種は2回接種と比べて有効性に差がなく、各群ともワクチンの有効性は97%以上であり、さらに5年後もワクチンの効果が維持されていることが示されました。WHOの推奨を科学的に支持するデータが示されたことになります。
2026年1月時点で、VIEW-hub/ Johns Hopkins集計によれば、HPVワクチンを導入している164か国のうち89か国(54%)が単回接種スケジュールを採用しています。世界が「まず1回で届く人を増やす」という方向に動いています。
HPVワクチンの高1相当女子の2025年度の累積初回接種率は55.2%、2026年7月時点の高1相当女子の都道府県別接種率では、最高の山形県は66.3%、最下位の沖縄県は21.9%、和歌山県は39.0%で全国40位でした(エムスリー総合研究所ワクチンJAPAN)。
1回の接種でも、複数回打ったのと同じレベルの効果が期待できるとなれば、ワクチンの効果を享受できる女性が増えて、より多くの女性が将来の子宮頸がんから命を守ることができるようになることが期待できます。定期接種の対象年齢に達したら、できるだけ早く「まず1回」の接種を強く推奨します。
また、HPVワクチンは男性も接種できます。2025年8月にシルガード9(9価ワクチン)の男性への適応拡大が正式承認されました。接種対象は「9歳以上」で、15歳未満で開始すれば2回、15歳以上で開始すれば3回とされています。男性では、1回または2回接種を支持するエビデンスは示されていないのが現状ですが、今後は接種回数が見直されるものと思われます。男性への接種は、現在は定期接種化が検討されている段階ではありますが、やはりできるだけ早く「まず1回」の接種が望ましいと考えます。

